まさか、彼があまりにもしつこいから、鈴代なずなが誰かを連れてきて、ボコボコにした…とか?

だとしたら、本当に悪魔だな。あの女は。

自分に言い寄ってくる男を、違う男を呼んでボコボコにするとか。

男利用しまくりの女か。

恐ろしい…。



そんなことを考えていると、目の前にはケンチキの入っているビルが。

歩き進めて、言われた通りにそのビルより一本奥の道に入る。

メインストリートではないので、街灯も少なくひっそりとしているが。




…あ、あった。




外観は、モノトーンで統一されたモダンな造りのカフェ。

小さな窓から灯りがもれて、カウンター席が少し見える。




cafe 《Pentagram》

…ペンタグラム。

やはり、ここで間違いない。



約束の時間は7時。

現在は15分前であるが、向こうは早めに到着して待っているというので、部活終わったら速攻で来た。



陰陽師…どんな人か。



何だかドキドキしてしまう。

しかし、相手を待たせているので、躊躇しているのも時間の無駄。

意を決して、カフェのドアを開けた。