《おまえが私のクライアントである以上、何があっても私はおまえを守る》
《身体だけじゃない。心も価値観も、大切にしてるもの…》
《全てを…護り通します》
…すべては、この瞬間のひとつひとつを。
何事もなく迎えるために。
二人に対して頷いて返し、その場を去る。
両頬を両手でバシッと叩く。
今一度、気合い入れ直す意味で。
今日は、絶対に勝つ。
でなきゃ、あの人たちだって俺を護る甲斐がないだろう。
それに…なずなにはカッコ悪いとこばかり見られている。
全裸でキレる姿や、体にしがみついてメソメソ泣いたり。
しまいにゃ、おっぱい枕をしてしまったり、ペンギンに興奮する姿を見せてしまったり。
ダサい極まりない男だよ。俺は。
…だからこそ、一つぐらいカッコ良いところを見せつけておきたい。
だなんて願望が心の隅にあったりして。
それに、これに勝てば道大会出場決定。
全国大会に一歩近付く。
(…よし)
いろんな思いを胸に抱えて、締め直す。
…だが。
「伶士、何で忠晴となずぽよが一緒にいんの?」
「………」