「…おや?なずなさん、寝てしまったのですか?」



…うぉっ!



忠晴が急に後ろから喋ってくるもんだから、必要以上に体をビクつかせてしまった。

声も出そうになった…!



「な、何だよ!驚かせんな!」

「おやおやすみません」



そう言って、忠晴はどこからかブランケットを持ってくる。

寝ているなずなの体にそっとかけた。



「だいぶお疲れのようですね。寝かせてあげましょう」

「………」



お疲れ…。



《なずなさん、我が家に住み込んでから、夜ほとんどお休みになられておりません》



そうだな…。



そう思うと、なぜか立ち上がることが出来なかった。

変に入ってしまっていた、体の力を抜いてソファーの背に身を預ける。

すると、肩に乗せていたなずなの頭がグラッとしてしまった。

あっ。あぁぁ、起きる。

体勢を手でそっと整えて頭が安定したところで、ホッと息をついた。

後ろから忠晴のクスクス笑う声が聞こえた。



「お優しいのですね」

「ち、ちがっ…だって起きちまうから…!」

「まったりしていて良いですね」

「………」



まったり…。