「え?」
「昨日あれだけボッコボコにしてやってから、あちらさんもすぐにイタズラしてこないとは思うから。大丈夫」
「あ、あぁ」
それは、昨日のことか…?
今、少しだけその事ぶっ飛んでたわ。
あんなに恐い思いして、散々泣いたくせに。
おっぱい枕のせいで(…)。
「…でも」
ニッとして不敵な笑みを見せて、そのまま目の前から立ち去っていく。
「…何かあったら、すぐ駆け付ける」
後ろ姿を見せたまま、右手でピースをしてそのままドアの向こうへと消えていった。
ドアがバタンと閉まり、向こうでは足音が聞こえる。
またドアが閉まる音が小さく聞こえて、本当に自分の部屋に戻ったようだ。
(………)
何なんだ?
特に何も、突っ込まれなかった。
それどころか、心配された。
この朝まで一緒に寝ていたという事実を「あー寝ちゃった」で済ませて、去ってしまった…。
これは…。
特に何も触れないでくれたことを喜ぶべきだろうか。
それとも、何か物申すべきだろうか。
…物申す?
俺が物申される立場だろうが!
あぁ…。
わかんない。
掴み所、無さすぎる…。
なぜだか、深く長く息を吐いてしまった。