待て。待てよ…?

ここはひとつ冷静になれ。

落ち着け俺。



記憶を掘り返して、昨晩のことを今一度思い返す。



…昨晩寝ようとしたら、あの女性…恐らく教室で襲ってきたバケモノの手の主が、部屋に侵入してきた。

そして、襲われかけたところを、鈴代なずなが助けに来てくれて。

二人がドンパチやってる(…というか、鈴代なずなの一方的な圧勝)のを見て。

あのバケモノ女性と目が合った途端、悲しくなって、自分の辛いことも思い出して。

止まらなくて、泣いて。

泣いて泣いて…。

ダサい泣き言吐いて…あぁ、ダセぇ。何であんなこと言ったんだ。

そして…。



『大丈夫だ…』



鈴代なずなの胸の中で、泣いた…。




(………)



ダサい。

ダサい極まりない。



…いやいや。

今はそれが問題ではない。



それからの記憶がない。

恐らく、胸の中で寝落ち…!



だからか。

それからの寝落ち…だからあんな体勢で朝を迎えたのか…!




(ああぁぁ…)




肩をガックリと落として項垂れる。

同時に頭を抱えてしまった。