頭の中は、ぐるぐると回る。




結局、俺も…。

…兄貴と同じことをしていた?




いやいや。俺の場合は違う。知らなかったんだ。

彼女にゴリラ先輩という彼氏がいることなんて。

彼女だって嘘をついていたじゃないか。




…いや、結局同じだろ?




人の女抱いて、平気で気持ちよくなってやんの。

さぞ、楽しかったろうよ?

その優越感?




…優越感?

そんなこと…!




結局、冷酷非道な金持ちの世界の住人なんだよ。

平気で人のモノを奪って踏みにじる連中と一緒なんだよおまえは。

俺は違うとか、何をまともぶっているんだ。



(…違う、違うんだ!)



だから、一緒だって言ってるだろ。

おまえが一人で違う違う言ってるだけで、端から見たらそんなの変わりやしねえ。

あー可哀想にな?

ツライだろう?辛い辛い。




(辛い…)




辛いなら…楽になる?



私と一緒に行こう?楽な方へ。

楽になりたいでしょ?

自分を苦しめる人なんて、いないところに行きたいでしょ?



(楽に…?)





…私ね?


あなたと一緒に居れるから、私は幸せなの。

あなたへの愛は、本物だよ。