しかし、親父の眉間にはグッとシワが寄る。
「…何だその言い訳は!見境と節操も無い!この女好き!そこまで来たら変態だ!誰に似た!」
忠晴が横で「旦那様です」と呟いていた。
何なの、あんたたち。
すると親父は、その勢いで今度はこっちを睨んでくる。
「…伶士、おまえもだ!」
「え…」
「裸見られたぐらいで逆上して、なずなに手をあげたそうだな?!忠晴から聞いてるぞ!…女相手に小さい!小さすぎるぞ!」
俺も、怒られた!
小さいって…予想通り!
軽くずーんと落ち込む。
しかし、何を言い訳する間もなく、親父は怒鳴り続ける。
「女性相手にどいつもこいつも情けない!なずなに失礼なことをしたら承知せんぞ!…覚えておけ!」
「………」
「…返事!」
「は、はい…」
「わかればいい!」
「………」
このくだりがオチですか…?
どっかの誰かと一緒だよ。
…しかし。
なぜ親父が、鈴代なずなをここまで大事な客人として扱うのか?
相当怒ってたぞ?
それは…明かされるかどうかわからない、秘め事。