盛り上がってるところ、すみませんが。
それ…丁重にお断りさせてもらいましたから。
あまりよく知らない人だったし。
(………)
腹にたくさん秘密を抱えて、高校生活送ってんのに。
自分のことをよくわかってない人と付き合えるかよ。
ふと一瞬、自分の中に閉じ籠もり、今までのことを思い返してしまった。
キャプテンの「練習始めっぞ!整列ー!」という掛け声で、ハッと我に返る。
い、いけない。練習始まる。
集中しよう。
咳払いをして、整列の中に入ろうとした。
その時だった。
ピンポンパンポーン♪と、校内放送を知らせるチャイムが鳴る。
全員一斉に動きを止めて、静かになる。
《…生徒の呼び出しをします。一年七組橘伶士くん、一年七組橘伶士くん、至急職員室まで来て下さい…》
お、俺…?
校内放送から職員室へのお呼びだし。
…嫌な予感がする。
「橘、お呼びだしだぞー?」
「おまえ、何したのよー!」
先輩からからかい混じりのヤジが入る。
「な、何もしてませんって!」