そんな夜が明けて、朝になる。
「伶士お坊っちゃま、おはようございます!」
「…だからお坊っちゃまはやめろ。しつこい」
俺が起きてくると、鈴代なずなはすでに制服を着ていて身支度完了していた。
…まだ、6時半だぞ?
「…朝、早くね?」
「今、剣軌来てるから。経過報告で朝マクドしてくる」
「菩提さんが?」
「仕事帰りにちょっと寄ったって。監視しに来たんだよ。うわー」
仕事帰り…?
陰陽師はこんな夜通し朝まで仕事をするのか?
そして、わざわざうちに寄って、鈴代の監視はしっかりと?
どんだけストイック?…サディスティックなんだ。
そうして、鈴代なずなは家を出てしまった。
それから、今度は俺が身支度を終えて、朝練で家を出ようという時に、兄貴が起きてくる。
二日酔いのせいか、顔がちょっと疲れてる。
「おはよー…なずなは?」
「………」
第一声がそれか。
昨日のこと、覚えてんのか?
「アイツはもう家出たよ」
「えー!あぁ…会いたかったのに」
非常に残念そうにしている。
あれだけやられたのに、会いたかったってなんだ。