「おまえってば相変わらず優しいし、お人好しだもんな。だから頼智に彼女NTRされるんだって」

「は?…ちょっ、急に関係ない話やめて!それもう吹っ切れたから!」

ムッとした表情を見せると、プッと笑われる。

「伶士に新しい彼女が出来ますように」

「…こら!」



二人でどつき合ってると、周りから「はいはいやめやめ」「仲良しだなー。イケメン兄弟」と、冷静にコメントされる。

…こういう雰囲気、嫌いじゃない。

金持ち学校にいたら、友達とのふざけ合いなんて絶対に味わえないし。



そこで、俺達の様子を見ていた颯太たち一年部員らが話に入ってきた。



「水口さん水口さん、心配いりませんって。伶士、実は最近、隣のクラスの可愛い女子に告白されましたー!」

「なっ…颯太あぁぁっ!バラすなあぁぁっ!」

「え、マジ。よかったな」

「もう、ミスコン三位効果ですって。今やこの橘伶士は、ミスター、準ミスの水口さんに続いて、学校では三番目のイケメンですが!…しかし、学年1のイケメンですからね?」

「ふーん。よかったな。で、どんな子?」

「6組の愛莉ちゃんですよー。可愛い子」

「ふーん。っつーか伶士、何で言わねえの」

「………」