歳の近いお兄さん。

彼的には俺がお金持ちだろうが何だろうが、興味なくて関係ないらしい。

そんなことより、一緒にいるのが楽しいと言われて嬉しかった思い出がある。

今でも大好きなお兄さんだ。

イケメンだし。







小学校入学すると、瞳真くんはサッカーを始めた。




『サッカーおもしろいの?』

『おもしろいぞ。れいし、おまえもやれや』




そう言われたのがきっかけで、親父の知り合いの子がいるユースのチームに入団し、始めたこのサッカー。

やればやるほど面白くて、夢中になった。

瞳真くんとたまに会った時は、話が尽きなかった。



中学生になると、お互い忙しくて会わなくなっていたけど。

たまたま見に行った昨秋の高校の支部予選の準決勝で、久々に…彼を見た。



彼は随分と活躍していて、一年ながらにも上級生押し退けて、主力で。

昔のように輝いていて、翌週の決勝戦も見に行ってしまったほど。



…彼と同じチームでサッカーをしたいと思った。



それが、俺がこの高校に来た最大の目的。

瞳真くんのいるチームで、彼と一緒にサッカーをやる。



チャンスはここ、高校しかないと思った。



そして、親父に頼んで頼んで、反対されても頭を下げて頼み込んで、公立高校を受け直させてもらい。

この高校へ入学する運びとなった。