ん?…ん?
誰…。
不思議に思ってしまい、思わずソファーから身を乗り出してしまう。
その違和感がある顔をぐっと目を凝らして見てみる。
しかし、何度見てもただ疑問しかない。
…誰だ?こいつ?
「ぷはーっ!風呂上がりのレモン水炭酸うまー!」
ヤツだ。そこにいるのは、鈴代なずなだ。
間違いない。
だけど。
だけど、顔違う…!
とうとう席を立って、忠晴と談笑しているヤツに、恐る恐ると近づいてしまった。
「なずなさん、メイク落とされたのですか?印象変わりますね?」
「うん。だってもう寝るし、風呂入ったし」
メイクを…取った?!
何っ!
ギラギラのアイシャドウと付けまつ毛を纏っていたアイメイク、濃いチークもリップも全て消え去っており。
巻いていたロングヘアも、ヘアクリップでひとつに纏められている。
すっぴん…まるで、別人!
驚愕だ…!
キッチンのカウンター越しに、そのすっぴんとなった表情を凝視する。
しかし、顔をずっと見つめてるもんだから、あっという間に気付かれた。