そうして、チカのいる隣の6組へと足を運ぶ。
チカ…とは、女子じゃない。
周人と書いて、ちかひと。
同じサッカー部のヤツ。
6組を覗くと、丁度入り口の傍にチカがいて。
「ノート返して」と簡潔に伝えると「ほいほいごめんねー!」と、チカは自分の席に戻り、カバンを開いている。
そんなチカを目で追っていたが、教室の奥が騒がしいことに気が付いた。
ひとつの机を囲んでいる、髪、メイクが派手で、スカートが短すぎるギャル二人。
その机には、顔を伏せてぐっすりと寝ている様子の女子。
「なずぽー!起きろ起きろー!」
「ったく、寝腐って!朝まで男と一緒だったんかい!」
寝ているヤツの耳元で叫んだり、頭をバシバシと叩いたり。
ギャルは騒がしいし、やることエグいな。
と、いうか。
寝てるヤツ。
俺の陰陽師用心棒、鈴代なずなだ。
そうだ。6組だっけ。
「おーい!なずぽー!もう昼だぜー?いつまで寝てんのかなー?あー?」
「っつーか、おまえをそこまで寝かさなかった男とのワンナイトな話、聞かせてくれー!」
「おまえ、昨日の夜どこにいたのよー!」