「…高校ではおまえの他にあと一人しか知らないんだ。そして、これからも秘密にしてくつもりだから。言わないでほしい」
「秘密?何で?」
「円滑に普通の高校生活を送りたいからだよ」
「円滑?…へぇ?」
そこでなぜか、フッと鼻で笑われた。
…は?
何で笑う?
バカにされたような気がしてならず、イラッとしてしまった。
「…何だよ。何がおかしいんだよ」
思わず睨み付けてしまう。
しかし、ヤツは「うしし…」と笑っていた。
前から思っていたけど、何だ?その笑い方。
「いや。あんた普通のDKでしょ。なのに家が金持ちであることあえてわざわざひた隠しにする必要なくね?なんて」
「…あぁ?!」
「神経質ですな?と私は言いたいのさ。案外バラしても何でもなかったり?」
「し、神経質?!な、何だと!」
「まあ?私は一応プロですので守秘義務がありますから?お坊っちゃまが口外するなと仰るのなら口外致しませんが?」
この女っ…!
「だから、お坊っちゃまはやめろって言ってるだろが!」
「うしし…いってらっしゃいませ。イケメンまつ毛お坊っちゃま?」
「…だから、やめんか!」