三人のやり取りを、食事を取りながらボーッと見守る。
母さん、ムキになるの珍しいなと思いながら。
食事を終えて、支度を終えた頃にようやく鈴代が母さんと食事を始めていた。
折れた…。
「…あら、伶士もう出るの?」
「うん。朝練あるから」
「えっ?そしたらなずなさんは?一緒に行かないの?」
「………」
え…えっ?!
鈴代と一緒に、学校?!
って、そうか。
24時間警護だもんな。
用心棒、付きっきり?!
と、いうことは…登下校も一緒にしなきゃならんのか?
何の気にもせず、普段通り支度していた…!
って、鈴代なずなと登下校?!
このギャルと並んで歩くのか?!
目立つ…!
「いやいやいや。大丈夫ですよ?一緒に登下校しなくても」
俺の心中を察したかのように、そう答えたのは鈴代なずなだ。
食事を終えたのか、自ら食器を下げている。
「えっ?だって…」
「今は大丈夫です。今は『何かが起こる予兆』がない。それに、私も後で追うように同じ学校に行くし。多少距離が離れていても警護は出来る」