「…何だよ!」

「おまえは昔から危なげなんだ!自分が狙われていることの自覚を持て!」

「…わかってるよ!」

「本当にわかってるのか!」



それは、今日痛いほどわかった。

俺がこの事を軽く考えていたせいで…みんなが巻き込まれた。

だから、親父の連れてきた陰陽師は信用する。

言われた通りにしていようと思う。



…でも、親父が介入してくるのはウザい。

うざったい…!



どうせ、出来が悪いから…とか、思ってんだろ!



「…離せ!放っておいてくれよ!」

「離せ…?話わかってないヤツを離すか!」

「うるっせぇな!」

「うるさい?…うるさい?この父がうるさいだと?おまえ!」

「だ、旦那様!伶士さま!ケンカはお止めください!」

「あなた!伶士!どうしたんですか!」



ちょっとモメ始めると、忠晴と母さんがやってきて間に入ってくる。



俺の周りでガヤガヤガヤガヤ…。



うるさい…。

どいつもこいつも…うるさい!




胸の奥にこさえてしまっておいた真っ黒い感情が、蠢いてくる。

イライラと共に、表出しそうだ。