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『伶士くんが普通の生活を送れるように尽力します』

『だから、今まで通りに過ごしていて?…部活、頑張って』






…バケモノの奇襲によって、颯太や美森らクラスメイトを巻き込んでしまって、絶望、窮地に立たされていたのに。




俺の大切にしているもの。



『平穏』な日々。

この高校でやるサッカー。



…この二つを俺が大切にしているということを、彼らがわかってくれたような気がして。




『全てを…護り通します』




すごく、嬉しかった。




そして、昼のあのバケモノ出現の件にすっかり怯えていたはずなのに。

彼らにそう一言告げられただけで、不思議と何も恐いものは無くなり。

放課後、普通に部活に出ることが出来ていた。





だが…。





「伶士さま、旦那様が首を長くしてお待ちですよ?」

「えっ…」




迎えの車へと乗り込み、帰路の途中。

運転している忠晴からそう告げられる。




まさか…。




「…聞いたの?」

「菩提さんから報告は入っておりますよ?伶士さま、学校で危険な目に合ったそうじゃないですか。なのに、すぐに帰って来なかったと、旦那様はカンカンです」



うわ…めんどくせー。