「菩提さん…」
「今後、このようなことが無いように、警護を強化して、伶士くんが普通の生活が送れるように尽力します。だから、今まで通りに過ごしていて?…部活、頑張って」
普通の…平穏な生活。
過ごしていて…いいんだ。
「は…はい!」
素直に返事を返してしまった。
…この人たちは、こんなにも俺のために尽くしてくれる。
俺の大事なものを『そんなもの』と言う親父とは違って。
俺が大事にしたいことを…わかってくれているような気がして。
それをも含めて守ろうとしてくれている。
なら、信用してもいいかなと…思えてしまった。
「伶士、安心しろ」
そう告げてくるのは、鈴代なずな。
腕を組んで…相変わらず偉そうな口調だ。
「おまえが私のクライアントである以上、何があっても私はおまえを守る。身体だけじゃない。心も価値観も、大切にしてるもの…」
…こいつは、デリカシーなくて、フザけたヤツ。
やたらと偉そうだし。
なのに…。
「全てを…護り通します」