風が吹いている。
ざわざわと音を立て木が揺れる。
そして私は倒れこむ。
今私がいるのは屋上。
ここなら誰にも会わずに済むし、何より心が落ち着く。
この自然を眺め、音を聞くだけでも心が浄化される。そんな気がしてくる。

私は15歳。
鈴木有里華。
友達は、、いない。というより、作らなかった。
友達なんて、ただの肩書きでしか無く、赤の他人と同じようなものだ。馴れ合うなんて、到底無理だ。

遠くでチャイムのなる音がする。
その音に私は現実へと引きずり込まれる。
すっと立ち上がりドアへと歩いて行く。
古びたドアを開け、教室へと歩く。
しばらくすると、自分のクラスから大きな笑い声などが聞こえてくる。その声が聞こえてくると、たった今浄化されたばかりの心が黒く染まっていく。何と無くそんな気がしてまたあの場所に居たい。そう思った。

心を決め、ドアを開ける。
すると一瞬しんとしたがまたすぐにうるさくなる。いつものように窓を眺めてボーッと考え事をしていると
「おはよ、鈴木さん。」
「うん。おはよ。細田さん」
細田さんは、なにかと話しかけてくる。
でもだからといって特別仲がいいというわけでもない。挨拶や、何か話すことがあれば話すだけ。あんな、馬鹿でかい声で笑い合うようなことは絶対に無い。

だって私は、、、