「祥太先生、放課後お時間ありますか?
先生と親睦を深められたらと…………。」

「先生、お弁当を作って来たのですが…………。」

「生徒の事で………相談にのって下さい。」

あれから、絵莉花先生のもう攻撃が始まった。

鈍い俺でも

さすがにこれだけ誘われたら気づく。

「あぁ~
今夜はちょっと……………。」

「………俺も弁当を持って来てるので………」

逃げ口上も尽き始めたとき。

「絵莉花先生。
その攻撃は…………
さすがに生徒の間でも噂になってますよ。
『絵莉花先生可愛いんだから
もっと余裕を持てばいいのに~』
『必死さが怖い。』
『なびかない男を追いかけるより
モテモテな姿が見たい!』って。
私も
祥太先生は無理そうだから、やめた方が良いのにって思います。
ねっ、祥太先生。
彼女はいないけど……好きな人はいるんでしょう?」と

藤堂がまた助けに入ってくれた。

好きな人なんていないけど………

ここは乗っかっといた方が良さそうだな。

「…………絵莉花先生、すみません。
いつも親切にして下さり、感謝してます。
藤堂が言ったように、彼女はいないんですけど………
好きな人はいるので…………
誤解されたくなくて………お誘いを曖昧にしてしまい………
すみません…………」

傷つけないようにやんわり断っていると………

「別に、お誘いしてた訳じゃありません!
純粋に相談にのって欲しかっただけです!!
誤解されるような発言は控えて下さい。
藤堂さんも、変な噂を広めないで下さいね。
教師が教師に相談していただけですから。」

それだけ言うと

プリプリお尻を振って

怒って行ってしまった。

…………………唖然。

「ホント、男の人ってバカばっかり!
あんな見かけだけの女を可愛いって思うんだから。
先生には、あんな性悪女より『天使ちゃん』がいるでしょう?
和花を泣かせたら、しばきますからね!
私………黒帯ですから。」

それだけ言うと…………

藤堂も絵莉花先生と同じように

お尻をプリプリ振って、怒って行ってしまった。

………………………なんだ???