「別に翔和を喜ばせたいわけじゃないよ...。ただあんなキラキラした人達のそばにいるのに見合うようになりたいから」
元々、世界が違うのは分かっている。
だけどあまりにもみすぼらしい恰好を見せるわけにはいかないから。
いくら庶民とはいえね、それなりの恰好をしなきゃいけない。
「本当に?嬉しいんじゃないの?朱雀翔和と夏休みに会うことができて」
「嬉しい....」
確かにいつの間にか、彼らといる時間が楽しいと思うようになっていた。
私はもう庶民が入ってはいけない領域へ踏み込んでしまっているのかもしれない。
彼らのガードがあまりにも緩いから。
もっと壁を感じさせてくれないと、後戻りできなくなる。