『善は急げだから。今から妃菜の家行くから、出かける準備しといて!』



『え、今から!?うちに来るの!?』



明日とかじゃなくて、今から!?



『そうよ。だから準備しといてね。すぐに着くから』



『ちょっと待って、沙理ちゃん!?』



ツーツーツー。



電話が切れたことを示す音が鳴っている。



こうなったら沙理ちゃんは絶対に来る。



しかもお嬢様だからここまで沙理ちゃんが公共交通機関で来るとは思えない。



きっと沙理ちゃんの執事さんが運転する車で来るはず。



絶対に早く到着するから、とりあえず急いで着替えて準備しないと。



寝坊したときの朝のように家を走り回って急いで出かけるための身支度をする。