北上さんの舌が私の歯をなぞる。ツッと太ももを指でなぞられて、体が反応したくないのにびくりと震えた。

「ハアッ……可愛いね。さすが、僕の天音」

とろけた目をしながら北上さんが私に言う。そっと頰に手を添えられ、またキスをされた。今度は激しくなく優しいもの。

「甘いね……」

キャラメルの味がする唇をペロリと舐められ、私は顔をそらした。そして、体を震わせながら言う。

「私は、あなたのものではありません。家に帰してください!」

もうどうでもよかった。抵抗して、殺されてもいいと思った。こんなところで一生を過ごすくらいなら殺された方がいい。

「ハハッ!天音、何言ってるの?」

「あなたのことなんて、これっぽっちも好きじゃない!」

私がそう言っても、狂気的な笑みを北上さんは浮かべたまま。「嫌い」と何度も言っても、北上さんは顔色一つ変えない。そして、またキスをされる。

「んんっ……」

何度かキスをした後、北上さんは私を見つめる。その目は優しいもので、体が震えた。