ある日の放課後、
クラスが離れてしまっていたが凛於はいつもどうり私の教室に迎えに来てくれた。
「美羽、帰ろ。」
私の首にマフラーを付けながら優しく呼ぶ凛於。
「うん!帰ろ帰ろ!」
私はつけてもらったマフラーに顔を填めながら答える。幸せ、嬉しい。いくら凛於に劣等感を感じてもやっぱり凛於が好きだった。

帰り道、会話がふと途切れ、美羽が何の気なしに口にした言葉。
「美羽はさ、新しいクラス楽しそうだね。誰だっけあの子、えっと、●●ちゃん?」
顔色は変わってなかったが声のトーンが少し下がったのを感じた。
私が最近仲良くなったクラスメートだ。もしかしたら嫉妬してるのかもしれない。可愛いヤツめ。
「あ〜、そうそう。●●面白くてさ、この前もカラオケ行ったけど凄い楽しかった!」
わざと楽しそうに言った。ほんとはまだ呼び捨てで呼んだりしてないけど。
「へ〜、今度私も呼んでよ」
え、それだけ?顔には出さずにいいよ、と返事をしながら凛於の顔にそっと目をやる。
少し機嫌が悪いようだった。