小学校から中学校に上がった私は、環境の違いに驚くことばかりだった。
小学校の2倍もの生徒がいること、
先生との距離が小学校とはかけ離れていること、
毎日みんな同じ制服に身を包んでいること、
何よりも
頭の良さが「順位」という直接的な数値で表されることだ。
幸い、真面目な性格だった私は割と難なく定期テストや課題をこなしていった。いや、不幸にも、とも言えるだろうか。
中学生になって知った親友との格差。
「割と」頭のいい私と
「天才的に」頭のいい凛於。
凛於に向ける周りの目が変わった。それは私も同じだ。今まではコミュニケーション能力がスクールカーストの大半を左右していたがそうもいかなくなったのだ。初めて凛於に負い目を感じた。
初めて凛於を羨ましいと思った。

パパとママは凛於の成績がいいことを知ると何かにつけて凛於のことを聞こうとした。
正直居心地が悪い。私がパパとママの娘なのに。
それでも顔には出さなかった。
「凛於は親友だから。」
そう自分に言い聞かせながら毎日すごした。