ユキは俺と……7歳差か。
なのに俺より高校生感あるってどういうこと。
イケメンってずるい。老化してないだろ絶対。
「街で竹刀振り回してて、よくニュースになってねぇな」
「もし声をかけられても『撮影なんだ』って言やごまかせるからな。それに俺だと気づかれねぇよう演じんのも一興さ」
柏の辛辣な物言いに、ユキは陽気な声色で返す。
2人の温度差すごいな……。
「あんたのことも調べたよ」
「有益な情報は得られました?」
「いまひとつ、ってところだね」
「そうですか」
あああっ! 薫と博くんもバチバチと……!
薫の一方通行なのがよけい怖い!
博くんの身元は、パソコン上の操作ではあまり見当たらなかった。
が、博くんの苗字には心当たりがあった。
――素野博。
幹部室の本棚にあるアルバムを引っ張り出し、数枚の写真と記述を見てみれば、思った通り。
双雷4代目の幹部たちと交流のあった人たちの中に「素野 万」という男がいた。
同じ苗字。そっくりな顔立ち。
赤の他人とは思えない。
調べると、素野万という男は博くんの父親で、現在は弁護士らしい。
そこから芋づる式に明らかになっていった。