みなとみらいの街をお散歩。さっき言った、ビルの狭間なら、キスOK、って言ったのが、頭に上って、落ち着かない。伸介くんもそのことを考えているようで、言葉少なだ。

「ねぇ・・・商社なら、海外赴任の可能性とかあるの?」

「あぁ、可能性は高い。もし行くなら・・・紗良も来てくれるか?」

これって、プロポーズ?じゃなくて?なんなんだろう。

「どういう、意味?」

「俺と結婚してくれますか?」

「ちょっ・・・ちょっと待って、伸介くん。あたしたち、今日、付き合い始めたばかりだよ。キスさえまだなのに・・・」

と言った瞬間、伸介くんがキスしてきた。あたしも応えて・・・長い、長い、熱いキスになった。

「これでいい?それとも、今日、もっとしたほうがいい?」

「もっとって・・・」

真っ赤になるあたし。

「俺は、10年待ったんだよ。そりゃ、彼女がいた時期もあった。でも、心の中には、いつも紗良がいたんだ。だから・・・」

「うん。分かった。お願いします。結婚、お受けします。」

「いやったぁ!こちらこそ、よろしくっ!・・・あ、婚約指輪とかなくてごめん」

「そりゃあ、今日、ここまで進むとは思わないでしょう。あたしだって、驚いてる」

「夢じゃ、ないよな。夢だったら、感覚、ないもんな。キス・・・激しかったね(笑)」

「もう、伸介くんたら」

「とりあえず、今日は、送るよ。駒沢大学だっけ」

「いいの?伸介くん、菊名でしょ?」

「大切な婚約者だから、送りたいんだよ。送らせて」

「ありがとう」

「伸介くん・・・10年前、素直になれなくてごめんね。クラス会を企画してくれてありがとう」

「僕の10年越しの愛を受け入れてくれてありがとう、紗良」

伸介くんがアパートまで送ってくれて、アパートの前でまたキスして。

あたしたちのこれから、まだまだ分からないけど。

伸介くんとなら、やっていける気がする。

2人の10年越しの愛に花束を・・・。

The End