朝になったら、お母さんが起こしてくれた。
あたしは、自分のクローゼットを開け、出来るだけ可愛くして家を出た。
買って、2、3回程しか履いてないブーツなんて履いちゃって。
いつもならオシャレなんてよっぽどの事がないとしないけど…今日ばかりはオシャレをしていかないと。
…昨日作ったレモンの蜂蜜漬けも一応カバンの中に入れて…。
───…
───────…
あたしが学校に着いた時には、奈美は来ていた。
「優おそーい!」
奈美が遠くから叫んだ。
あたしは、顔の前で手を合わせ、頭を少し下げた。
『試合始まってる!?』
「まだだよ!」
『よかったぁ〜』
あたし達は、試合が良く見える、コンクリートに座った。
そして、選手達が、腕を組んで試合が始まった。
すると、春哉と優也の出番はまだなのか、こっちに走ってきた。
「来てたんだ! もうすぐで俺の番だし、ちゃんと見とけよ!」
春哉があたしに笑顔でかっこいい事言うから…顔が熱くなったじゃん。
『うん! ホームラン打ってね!』
「んー… それは無理かも…。」
『ダメだよ! あたし応援しとくから頑張って!』
あたしのために打って!…なんて言えないけど、心の中で思っておこう…。
すると、優也が機嫌が悪そうにポケットに手を入れ、あたしに言った。
「優。」
『ん? 何? 優也。』
「俺、お前のために…。
お前のためにホームラン打つから。」