あたしがまだ自分にそう言い聞かせていると、優也が迷っているような顔をした。
あたしには、言いたくないのかな。

「んー…一応、いる。 けど、名前は言えない。」

…あたしは、優也に信用されてないのかな。
あたしは優也になんでも話してるのに?
なんか…。

嫌…。

『あたしには言えない?』
ちょっと唇を尖らせて言ってみた。
「んー…。 いつかは言う…。」

ふーん、と言ったあたしに優也は少し申し訳なさそうな顔をしたから、あたしもちょっと悪い事したなぁー…と思って
『じゃあ、名前は言わなくていいから、相談はしてね。』

…って言っておいた。

なんでだろうね…?
まぁ、いつかは言うって言ってたし…いいか。

でも、誰だろう?
同じクラスかな?
それとも、違うクラス?
優也が好きになるくらいだから、可愛いんだろうなぁ。
優也、一応モテてるし…。先輩がかっこいいって言ってたしなぁ。


ん〜…。
ん〜!?
ヤバい…。

すっっごい気になる!
あたしは、仕事に手もつけずに、考えていた。
優也が途中で「お前も手伝えよー」と呆れたように言った声も聞こえてなかった。


そのせいか、その仕事が終わった頃には外は暗くなり、優也はぐったりと疲れていた。