『そっかぁ!あっ、あたしね、もう春哉の事好きじゃなくなったから、丁度良かったよ!』
「優……。」

奈美、そんな悲しそうな顔しないで。

あたしまで…
余計に…

悲しくなるから…。

『もーうっ 本当だって!』
「…そっか。じゃあ、今日カラオケでもいこっかぁ!」
『賛成!』



教室に戻ると、春哉と結那が楽しそうに話していた。
結那があたしの席に座って──…


イライラする。

『結那どいて。』
無意識に声がキツくなった。

「え〜いいじゃん!あとちょっと待ってぇ!」
『いいから!邪魔なの!』

はっ…!
どうしよう…。
言い過ぎた。

『あ…ごめん。』
「……結那もごめんねっ。」


「席座るくらい、いいじゃん。何お前キレてんの。」


ムカッ───…
あたしの気持ちも知らないくせに。

あんたなんかに、この苦しみが分かるわけない。

『誰のせいだと思ってんの!?んとに意味分かんない!!勝手にイチャイチャしとけば!?』

ギリギリ泣くのは我慢した。けれど、この怒りはおさまらない。
春哉は意味が分からない、と言わんばかりに不思議そうな顔をしていた。

それが余計に腹が立った。

あたしは、一度春哉を睨み、教室から出た。