それは、冬休みも終わり、恋人達は身を寄せて温め合う今日この頃。
あたしは、奇跡的にまだ春哉の隣の席で…。
溢れてしまいそうな気持ちを必死に抑えていた。
話す度、目が合う度、笑い合う度、笑顔を見る度、好きになっていった。
だけど、そんなあたしには気付いてくれなかったんだね。
あなたの瞳には、あたしじゃない、あの人が映っていたんだ。
昼休み、あたしがいない時だった。
『あたし、ちょっとトイレ行ってくる!』
「いってら〜」
帰ってくると、奈美と皐月の様子がおかしかった。
何か、申し訳なさそうな、何か隠しているような───…
それに、周りの人がコソコソ何かを話していた。
あたしは、それを察知して奈美に聞いた。
『何?なんかあったの?』