家に帰ると、ラジオのスイッチを入れた。
すごくゆっくりで、繊細で…それにすごく優しいラブソングが流れていた。
その歌詞は今のあたしに偶然当てはまっていて────…
心が温かくなった。
気付けば二人は
いつだって傍にいた
心の奥に扉があって
その扉を開けられるのは
あなたしかいなくて。
あたしたちは気付かなかった
二人の間に愛があったこと。
最後の歌詞はあってないかもしれないけど…
あたしの心は満たされていった。
好きだよ。
大好きなんだ。
諦めたくない。
後悔したくない。
知りたい。
話したい。
こっちを向いて欲しい。
遠くに行かないで。
傍にいて。
隣にいて。
あたしを見て。
受け止めて。
そんな気持ちが溢れそうなくらい浮かんできた。
すると音楽は消え、効果音が流れた。
《“HEART STATION”今週は…》
毎週、当たり前のように始まるラジオ番組。
あたしもハガキ出してみよっかな。
ふと、そう思った。