あたしは急いで走った。

あの人のもとに─────…


奈美…。

ガラッ─…

奈美は机に座って暗い表情をしていた。
そんな姿を見ると、こっちまで辛くなるよ…。

あたしは、深呼吸をして奈美の前に立った。

『ごめんなさい!』
「…優。」

許してくれなくてもいい。
ただ、あたしが謝りたいだけ。
そうじゃないと…前に進めないから。

『ごめん。軽い気持ちで…奈美を傷付けて…。でもね、あたし…。奈美と前みたいに…話したいし、前みたいに騒いだり、相談しあったりしたいの。』

勇気を振り絞って、言った。

許してくれなくてもいいの。
あたしの想いが伝われば──…



いつだって奈美はあたしの事を支えてくれた。
あたしの一番の親友だった。
あたしの家族みたいな存在だった。

すごく感謝してるの。


だから、あたしは奈美にとって、そんな存在になりたい…。

今更だけど──…。

もし、まだ間に合ってるんだったら…前みたいにあたしの事を怒ったりしてよ───…



奈美─────…



あたしは、拳をギュッと握り締めた。