キーンコーンカーンコーン…。
昼休み…。
あたしは、走って体育館へ行った。
すごく緊張していて、複雑な気持ちだった。
『はぁ、はぁ…。』
颯馬はまだ来ていない。
しばらく辺りを見回していると、低い声が聞こえた。
「何?昨日の返事?」
そんなそっけない返事も、無視して、あたしは息を吸った。
『颯馬…』
目を瞑った…。
『ご「あはは!」
……?
…………春哉?
振り返って体育館裏の方を見ると、とびきりの笑顔を見せる、春哉の姿。
春哉がその笑顔を見せているのは─────…
『れ…いなちゃん…。』
自分の顔が暗くなったのがわかった。
まるで、夜の雲におおいつつまれた様な………。