『ただいまぁ…。』
はぁ…。
毎日変わることのない景色に飽きてきたある日。
着信音と共に一通のメールがあたしに届いた。
《今ひま?》
颯馬かぁ…。
びっくりするじゃん。
《うん!なんで?》
《ちょっと…》
ん?なんだろう…?
何かあるの?
《何?》
しばらく返事は来なくなって、30分くらい経ってから流行中のラブソングがまた鳴り響いた。
パタンッ!!
思わず携帯を閉じてしまった…。
ドクン…
携帯の画面を見た瞬間、見たくない文章が目に入った────…
“お前好きな人いる?”
どうしよう。
言いたくない。
《ん〜内緒!(笑)》
…あいまいな返事をした。
言いたくなかった。
彼女のいる人を好きだなんて…
言いたくなかった──…
♪〜
メール……。
《内緒かよ。ちなみに俺はいるけど。》
…颯馬好きな人いるんだ。
颯馬は、ファンクラブもあるくらい女子に人気だった。
だから、あたしは何回か知らない女の子に、
「颯馬に近づくな!バーカ!!」
なんて言われた事もあった。
まぁ、全然気にしてないけどね。
あたしもそんなつもりで仲良くしてるんじゃないし。