月曜日、あたしはいつも通り学校に行った。
すると、やっぱり春哉はいつもと違っていた。二人の間には気まずい空気がゆっくりと流れていた。
いつもなら、二人の会話が楽しくて嫌でもすぐに時間は過ぎていった。けれど、今日に限って…時間はゆっくりと流れている。…神様の意地悪…!!

あたしは、このままでは嫌だから話し掛けてみた。けれど、顔を合わせようともしてくれない。
授業中、休み時間がすごく長くて…。
春哉が機嫌が悪くても、いつもならすぐに元気になって授業には見向きもせずにはしゃぎ出す。でも、今日は違った。

あたしが春哉の方を見ると、目が合った。

春哉───…
すると、春哉のその目線はすぐに机の方に落ちていった。
あたし、本当に嫌われちゃったよ…。あたしの気持ちに気付いて、嫌だったんだね。…もう、目も合わせたくないんだね。


そう思うと、涙が出てきた。良かった…休み時間でっ…。
あたしは、机に顔を埋めて涙を流した。すぐに止まるだろう、そう思ったから。
でも、その涙の粒は次々に零れ落ちて、止まってくれない。
やだ…止まってよ。
恥ずかしいじゃん。こんな所で泣いたりして…。

止まってよ…。
あたしは、まずいな…と思い、立ち上がってトイレに向かった。
「優っ…大丈夫!?」
『うん、平気! ちょっと目に埃入っちゃった!』
「そっかぁ…。 もう〜びっくりするじゃん!」
奈美は、わざとらしいけど、そう言ってくれた。



バタンッ───…
『はぁっ…』
ガタ…。
あたしはドアにもたれかかって、そのまま崩れて泣いた。…声を殺して。