『っっんとに、おめでとー!!』
あたし達は、4人でお弁当を食べていた。
もう、さっきの胸のドキドキは止まり、いつも通りの友達同士の感覚に戻っていた。

「俺はホームラン打てなかったけどなぁ。」
そう、優也はホームラン打てたけど、春哉はヒットしか打てなかった。

『でも、打てたんだよ? それだけですごいよ〜』
「そうそう! あたし、もう声枯れちゃった!」

すると、コップを持ってジュースを飲んでいたあたしの手を見て、春哉が言った。
「お前、ひょの手ぇ、どひはん?」
「あ、その手ぇ、どしたん?って言ってます。」

あたしは、自分の手を見た。…あー…。
昨日、レモン切ってて…手も切っちゃったんだ。
『これね、ちょっと…差し入れ作ってた時に切っちゃって。』
苦笑いをしながら、カバンから小さな入れ物を出した。
そして、おそるおそる皆の前に差し出し、フタを開けた。
「レモンの…蜂蜜漬けみたいなヤツ?」
春哉が最初に食べた。
その後に続いて皆が摘んでいった。
あたしも、たーべよ…。

すると、三人の顔が同時に歪んだ。

…失敗かぁ〜
パクっ
『う゛…まず…。』
「…お前、これ酢入れただろ。」
『おぉ! すごい。優也何で分かったの!?』