「エルサ!ルイーザ!マフィン作ってみたよ。一緒に食べよう」

エルサとルイーザと同い年で、この家の娘である鈴村菊(すずむらきく)が笑顔で部屋に入って来る。その手には、チョコチップのマフィンが湯気を立てていた。

「おいしそう!」

「では、おやつの時間にしよう」

エルサとルイーザは微笑み、マフィンを菊と一緒に食べる。菊はお菓子作りが好きで、よく二人に作ってくれた。喧嘩をした時も、仲直りのきっかけとしてお菓子を作ってくれる。

エルサとルイーザ、そして菊はとても仲良しで親友と呼べる存在となっていた。学校に一緒に登校し、勉強のわからないところを教え合い、お弁当も一緒に食べる。カラオケなど遊びにもよく行った。

そして、エルサは「北欧で白夜を見よう」とフィンランドに帰る日が近づいたある日、言った。ルイーザも、「ドイツはいいところだ。案内する」と菊に言う。

そして、三人で約束した。フィンランドとドイツに一緒に行くということを。そして、その約束が叶うと信じて三人は別れた。