今思えば、あの日…
あの日が、私達の運命の分かれ道だったんじゃないかと思う
もし、違う選択をしていたら私達は今どうなっていたんだろう…
「え!?」
映画の時間までの待ち時間を潰していたファミレスに、私の声が響いた
こんな時間なのに、周りは賑わっている
きっとみんなの目的は、私達と同じ気がする…
「だから、今日帰るまでに雨が降ったらお前は俺の家に泊まっていけよ?って言ったの!」
「し、正気?」
「今曇りなんだから、賭だろ?」
「………」
最近夜中に来るタカシのメールの内容から、それがどんな意味を成すのかは容易に想像できる…
「雨が降ったら?」
タカシがポテトをつまみながら頷いた
「………」
私は考え込んだ
タカシの事は好きだけど、私には一歩踏み出せない理由があった
「いいじゃん!雨なんかそんなに降る確率少ねーだろ?」
「………うん」
「よし!約束だぞ!」
私は満面の笑みでタバコを吸い始めたタカシの顔を、への字口、八の字眉で睨んだ