「どうされました?大丈夫ですか?森田さん」

看護師さんが部屋に来て状態を確認していくのを黙って見ていた。

「大丈夫ですよー、すぐに先生来ますから」

その言葉通りに早足でゆうちゃんがやって来た。

「森田さん、大丈夫ですか?」

看護師さんから報告を受け診察を済ませたゆうちゃんは聴診器を首に掛けながら指示を出した。

「ストレッチャー持って来て。オペ室と川本先生に連絡して。ご両親にも。急いで」

目の前で起こっている事に理解が追いつかず、立ち尽くす間に森田さんは運ばれて行った。

慌ただしく過ぎて行き、消灯時間を迎えたけれど森田さんもゆうちゃんも部屋に来ることは無かった。