ああ、やっと。やっと目に光が灯った。
彼にはどこか諦めのようなものが混ざっていたから、自分を見てほしいって叫んでいるように見えたから、何となく放っておけなかった。
困ったな...。本当は深く関わるつもりはなかったのに。
「わかった。颯がそう言ってくれるなら、私はここにいるよ。」
そういった瞬間、颯は思いっきり抱きついてきた。強く、その存在を確かめるように。その背中をさすってあげると猫のようにすり寄ってくる。
しばらくして颯が落ち着くと、私がバイクいじりをしていたのを気にしてシャワールームを貸してくれた。
少し熱めの湯に打たれながら考えるのはさっきのこと。そして双龍のこと。
私は颯に「ここにいる」って言った。
一度決めたことを引っ込めるつもりなんてさらさらない。その手をつかんだなら、私は約束を守り抜く。
いつまでこの日々が続くのかわからないけど、いつか終わりが来るその時まで。絶対に...。