「サボって応援来ちゃダメだよ?」
「あはははっ。さすがに明日はなっ!」
耳のすぐ側で響く明るくて無邪気なその声と、回された手に翔真は喜びで思いが溢れそうになると、また彼女を強く抱き締めた。
ピピピピピぃぃぃぃーーー!!!!!
その時、新米斎藤が真っ赤な顔になるくらいの大きな笛の音を吹き出し、
「おわっ!!うっせぇっ!!」
思わずその音に未茉も部員達も耳を塞ぐ。
「くぉらぁぁああ!!!この担任様目の前にいちゃつきやがってぇえぇっ!!!いちゃつくのも男女交際もリア充も一切禁止ぃぃい!!!俺の前では一切禁止ぃい!!」
ピピピピーー!!!
婚活がうまくいかないストレスからか真っ赤な顔して二人を引き離しに行こうとすると、
「まぁまぁ、斎藤先生。給水中ですし!!」
「そうですよ!!湊があれで明日大活躍するかもしれないですしっ!!!」
男バス一同は、体を張って新米斎藤を止めにかかるも、
「担任様よりも女の子といちゃつくのは許さなぁぁああああああああいい!!!!!!」
体育館には怒鳴り声が響き渡った・・・。
「しっかし、あんな抱き合っちゃってなんであれで付き合ってないのかが不思議だよな。」
真っ赤になって呆れ二人を見つめながら結城が歯がゆくもどかしい気持ちで冷ややかに言うと、
「白石も分かってないだけで、まんざらではない気はするけどね。」
冷静に三上はそう答えた。