「もしかして天使でしょ」

「はは、なにそれ。面白いね。でもあながち間違いじゃないのかも」

「どういうこと?」

「僕はね、未来からきたんだ」

「・・は?」


なんだこいつ。頭おかしい。

え、これってもしかして夢?

わたし、いつの間にか屋上で眠っちゃってるとか?


「違うよ。これは現実だ」

わたしの心を見透かしたようにいう天使くん(そう呼ぶことにした)はさっきまでの態度と違い真剣な顔で答えた。


「なによ、意味わかんない」


急に頭が混乱して、わけもわからず涙がこぼれた。


「よしよし。つらかったね」


天使くんはそんなわたしの頭を撫でてくれた。

それだけで、ほんの少しだけ落ち着いたわたしは単純だと思う。