「本当に死ぬの?」


それが僕が地上で人間としての姿で発した初めての言葉。


高校3年生のあやめは、なんだかひどく疲れて見えた。


大学1年のあやめは、親友を失った悲しみを背負っているから悲しそうな顔をしているのが理解できたけれど、いまのあやめは、まだ親友も失っていない。


それにデータによれば病気もケガもなく、家族も健在で友達もいて順風満帆な風にさえ思える。



それなのに、どうして死のうとしているのか理解ができなかった。