「柚琉?」
朝、早く学校に来た。
教室には2人しかいない。
そう、アイツ。
同じクラスの柚琉は、窓の外を見つめたまま動かない。
「ゆーずるー!!」
「わ!!舞子!」
急にぼーっとするから話しかけたのに、びっくりされるとは。
私は柚琉が見ていた窓の外に目をやった。
「・・・澤原、歌乃笑と来乃笑・・・」
登校してきた群れの中の、柚琉の目線の先にいた。
最近、柚琉が変わった。
こんなにぼーっとする人じゃなかったのに、時々人を目で追っていたり、話をしている途中で全然違う方を向いたり。
そういう時は、必ず澤原姉妹がいた。