「相川くん好き!ねぇ付き合ってよー!!!」

「無理って何回も言ってるんだけど」

「そんなこと言わないでよー!!」

ひどいひどい、と子供みたいに駄々をこねて席に着いた。

「諦めないねぇ、愛菜。」

「せーちゃん!!相川くんがぁ!!」

"せーちゃん" こと斉藤聖奈は私の大親友。

中学校の時からの付き合いで相川くん関係とか色々相談に乗ってくれる。

せーちゃんは長い髪の毛を1つにまとめてポニーテールにしていて、おっきい目に高い鼻。

そりゃもう人気者で休み時間は席の周りに人だかり。

見た目ではふわふわしてそうだけど、 少しサバサバしていてしっかり者。またそこがいいらしい。

私とは大違いの美少女なのに仲良くしてくれる優しい子。

「大丈夫だって、そのうち相川も愛菜の魅力に気づくよ」

「わーん!ありがとうー!!!せーちゃん大好き!!」

そう言って抱きついた。

「私は愛してるけど?」

2人で抱きしめあっていると。

「俺と斉藤、どっちの方が好きなの、」

相川くんが話しかけてきてくれた!!やばい、今日が命日だ…

「やばい、死ねる…」

「相川、悪いけど愛菜は私のだから渡さないよ?」

「せーちゃんかっこいー!!」

「いらない。むしろ貰って欲しいくらい」

「いやいや、ありがたく貰ってよ!?」

「いらない」

そう言い合っていると、チャイムがなり、先生が教室に入ってきた。

「はーい、はじめるぞー。」

その声で騒いでいた男子達も自分の席に戻り、私たちの会話も終わった。

さっきの質問、何だったんだろう。

そう考えていたけど、眠気に襲われ寝てしまった。

「……ホントに俺の事好きなの、」

そう呟く相川くんの声にも気づかず。