リンゴ、ペコロンゴー、カースイ。

 デスクの上に並ぶ色とりどりの果物を、アンジェリ―ナは幸せな気持ちで眺めていた。ペコロンゴーとは、ピンク色をした楕円形のマンゴーによく似た果物だ。

 ちなみにカースイは、皮が真っ赤なスイカといったところ。カースイの中身は緑色だとビクターが言っていたから、アンジェリ―ナの知っているスイカとは色配置が逆だ。

「よしよし、どれもフルーツカービングに使えそうね。ビクター様やるじゃない」

 アンジェリ―ナは、さっそく用意していたナイフを取り出す。

 そこで、ビクターが持ち帰った袋が、まだ微かに膨らんでいるのに気づいた。

「まだ入ってたのかしら?」

 袋を逆さにすれば、ゴロン、と何かがデスクに転がり落ちた。

「こ、これは……」