一カ月の時が流れた。

 普通、このような短いスパンで恋愛沙汰はなかなか進行しないものだが、ここは乙女ゲームの世界。

 全てがヒロインの都合のいいように、目まぐるしく展開していく。

 エリーゼと初めて会ったその日から、スチュアートはアンジェリ―ナに対する態度を一変させた。

 お茶会の際に呼ばれることもなくなり、更には夜会のパートナーにすらエリーゼを選ぶ始末。