アンジェリ―ナが“悪魔の塔”に幽閉されて二週間目。
もやし栽培も、ひとりバーベキューも満喫したアンジェリ―ナは、次に実行するネクラ趣味を決めるべく、食堂で例のリストを眺めていた。
すると、ドンドン、と扉をノックする音が聞こえる。
「ララ? いないの?」
朝からせっせと掃除に励んでいたララは、もしかすると最上階にいるのかもしれない。最上階からは、階下の物音は聞こえにくい。
「トーマスかしら?」
(でも、トーマスなら勝手に入ってくるはずよね。おかしいわ)
そう思いつつも、アンジェリ―ナは食堂を離れると、重い石扉をうんせと開けた。
扉の向こうに立っていたのは、見たことのない男だった。
騎士らしき装いをしていて、背が高い。黒髪に、鋭いブルーの瞳、整った顔立ち。
「何か?」
アンジェリ―ナが首を傾げると、呆然としていた男はみるみる顔を赤くした。それから、赤らんだ顔を隠すようにアンジェリ―ナから顔を背けながら、口を開く。
「あの。お、俺は……」
――バンッ!
男が何かを言い終える前に、アンジェリ―ナは勢いよく扉を閉めた。
もやし栽培も、ひとりバーベキューも満喫したアンジェリ―ナは、次に実行するネクラ趣味を決めるべく、食堂で例のリストを眺めていた。
すると、ドンドン、と扉をノックする音が聞こえる。
「ララ? いないの?」
朝からせっせと掃除に励んでいたララは、もしかすると最上階にいるのかもしれない。最上階からは、階下の物音は聞こえにくい。
「トーマスかしら?」
(でも、トーマスなら勝手に入ってくるはずよね。おかしいわ)
そう思いつつも、アンジェリ―ナは食堂を離れると、重い石扉をうんせと開けた。
扉の向こうに立っていたのは、見たことのない男だった。
騎士らしき装いをしていて、背が高い。黒髪に、鋭いブルーの瞳、整った顔立ち。
「何か?」
アンジェリ―ナが首を傾げると、呆然としていた男はみるみる顔を赤くした。それから、赤らんだ顔を隠すようにアンジェリ―ナから顔を背けながら、口を開く。
「あの。お、俺は……」
――バンッ!
男が何かを言い終える前に、アンジェリ―ナは勢いよく扉を閉めた。