「エリーゼ、ここがそなたの新しい住まいだ。隅から隅まで、私がゆっくり案内してやる」
「まあ、スチュアート様。とても嬉しいですわ」
ふたりが仲睦まじげに新緑の中へと消える様子を、アンジェリ―ナはその場に立ち尽くしたまま呆然と見送っていた。
「なんてこと……」
ふたりの姿が完全に見えなくなったところで、アンジェリ―ナは口に手を当て震え声を出す。
――『王子と乙女のセレナーデ』、通称『おとセレ』。
それは、アンジェリ―ナが前世でプレイしたことのある乙女ゲームのタイトルだった。
エリーゼと接したことで瞬く間に思い出した記憶によると、今アンジェリ―ナがいるこの世界は、何もかもが『王子と乙女のセレナーデ』と合致している。
アッサラーンという王国の名前、攻略対象であるスチュアート王子の名前、見目麗しい銀髪の彼の容姿。
ヒロインは、先ほど会ったばかりのエリーゼだ。
「まあ、スチュアート様。とても嬉しいですわ」
ふたりが仲睦まじげに新緑の中へと消える様子を、アンジェリ―ナはその場に立ち尽くしたまま呆然と見送っていた。
「なんてこと……」
ふたりの姿が完全に見えなくなったところで、アンジェリ―ナは口に手を当て震え声を出す。
――『王子と乙女のセレナーデ』、通称『おとセレ』。
それは、アンジェリ―ナが前世でプレイしたことのある乙女ゲームのタイトルだった。
エリーゼと接したことで瞬く間に思い出した記憶によると、今アンジェリ―ナがいるこの世界は、何もかもが『王子と乙女のセレナーデ』と合致している。
アッサラーンという王国の名前、攻略対象であるスチュアート王子の名前、見目麗しい銀髪の彼の容姿。
ヒロインは、先ほど会ったばかりのエリーゼだ。